【レビュー】ワイヤレスヘッドホン B&W P7Wireless

久々の大物購入になりました。
諸事情あってBluetooth搭載機器が欲しくなったのですが、ワイヤレスイヤホンは以前SONYのWI-1000Xを使っていたので今度はヘッドホンを買うことにしました。音質、使い勝手共に良さげなものを調べた結果、コレとBeatsのStudio3が候補になりましたが、オンイヤーとオーバーイヤーであれば後者の方が僕は好きなので、P7Wirelessを購入しました。

 

1.商品仕様

 P7Wireless はBowers & Wilkins(以下、B&W)の人気ヘッドホン P7 をワイヤレス化したもので、2016年に発売されました。B&Wのモデル内での位置付けはフラッグシップのP9に次ぐミドルクラスモデルと言ったところ。市場価格約4万円というのはノイズキャンセリング機能が付いていないワイヤレスイヤホンとしては高めですが、音質についての評価は高いメーカーのようです。


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        セット内容

  

 独特の高級感のある外箱を開けると、中にはヘッドホン本体の他に説明書、保証書、USBケーブル、3.5mmプラグケーブル、ケースが付属しています。メーカーによる保証期間は2年。生産中止になれば保証というのはどうなるかは分かりませんが、保証期間としては充実していると思います。


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ケースは質感が良く、デザインへの拘りが伺えます。


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ケースに入れたまま充電することもできる。

 

 このメーカーは何と言いますか、イギリス紳士のようなイメージがありますね笑。音質評価は高いけれど、デザインの面でとても凝っている。私個人としてはデザインよりも音を重視したいのですが、こういった拘りも面白さがあるなと思わされました。

 

装着感については、ヘッドホンの中でもかなり側圧が強めだなと感じました。スライダを全く伸ばさずに装着すると側圧で頭が痛くなるレベルです。音質面での変化は後述しますが、装着に違和感があるのであればスライダをなるべく伸ばして使用することをオススメします。重量についてはそれほど違和感はなく、外出時にも十分使えました。パッドの質感がしっかりしていて、フィットするとズレにくいのも好印象です。

 

 

2.音質

 レビュー環境:X7mkⅡ AM3B+付属ケーブル

 お次は気になる音の確認。箱出し一番をX7mkⅡに接続して聴いてみると、すごくフラットなリスニングモデルという印象を受けました。しかし低音が変にボワついて他音域に干渉してしまっているのが引っ掛かり、箱出しだから仕方ないかとバーンイン後に期待することに。

 その後、ピンクノイズを20時間程浴びせてからX7mkⅡの有線、Bluetoothで再度聴いてみました。低音のボワつきは一聴して分かるほどに改善しており、フラットに思えたバランスは低音比重の弱ピラミッド型に変化しました。低音比重とはいえ高音が弱いという訳ではなく、どの音域も迫力負けすることなく派手目に鳴ってくれます。またボーカル抜けが抜群に良くなっており、男声女声問わず他楽器との距離感が絶妙で何でも鳴らせそうなイメージを受けました。自分の場合、オーディオ機器を試聴して一番最初に考えるのは「これ何でも聴けるやつだな」とか、「これは女性ボーカル向けだな」等と言った音源適正の部分なので、所謂「何でも100点取ってくれる系」のP7Wirelessは非常に好印象です。

 良い部分があるかと思えば粗もありました。箱出しより改善したとはいえ、低音の質感は良いとは言い難いです。中~高音の抜けは良いのですが低音だけは抜け感が悪く、そのお陰で音場感が悪くなってしまっています。最も、密閉ヘッドホンの構造上の問題もありますので、低音の質感というのは難しい問題なのかも知れません。

 全体的な音色としてはかなりウォームで、分離感よりも調和をしっかりしてエレガントに鳴らすタイプかなーと。以前から寝ホンとして愛用している城下工業の SW-HP10S と比較すると、迫力が増してリスニングモデルとしての特徴が全面に押し出されている気がします。逆に分離感は SW-HP10S が非常に優秀に思えたので、上のクラスのモデルと聴き比べた事で SW-HP10S の性能の良さが際立ちましたね笑。

 

 次にBluetooth接続して聴きましたが、有線と比較するとやはり有線の方がいい印象を受けました。全体的なチューニングに変化はないのですが、有線の方が情報量がしっかり整理されている感じで、無線だと細やかさの部分がかなり見劣りして聴こえます。また低音の沈み方がかっちりした感じもあり、こちらは特に悪印象ではありませんでした。

 余談ながら、Bluetoothでペアリングする際に、ボタンをスライドさせた後に押下しないといけない仕様が分かりにくかったので結構戸惑いました。

 

パッドの装着感を変化させた際の音質変化については、私個人としてはスライダを最大まで伸ばした状態が最も好みでした。

スライダを縮めれば縮める程、パッドの側圧が強くなり、同時に低音が強まるイメージです。強まると言っても、この場合は低音が他の音域を潰すような質感になってしまい全体の解像感も悪くなるのであまりいい印象は受けませんでした。イヤホンに例えるならIE80Sを聴いている感覚です。(愛用している方はすみません!)

逆にスライダを伸ばしてパッドの側圧を緩めると、低音の抜けが良くなり全体の情報量も増したように聴こえます。こちらはイヤホンに例えるならLYRAⅡのチューニングに近いなと感じました。どちらが良いのかはジャンルによると言われるとそうなのですが、私としては断然後者でしたね。

 

 

 

 

3.まとめ

 デザインやガワの類いについては概ね満足でした。男女両方にオススメできる、プレゼント等にも向いてる商品ですね🎼。

 ただ、客観目線で補足するなら、音場感は密閉式ヘッドホンの常識に留まる範囲のものです。純粋な広さスケールで言うなら、イヤホンのRE2000の方が異次元性を感じましたね。(比較対象がおかしいですが) ハイエンドイヤホンと比較しても定位もそこまで良いとは感じませんでしたので、あくまで価格相応、尚且つ同価格帯の中では候補にできるかな~といったくらいの印象。いずれにせよ自分のようなマニアが集めるモデルのうちの1つとしては、賛否が分かれるように思いました。特定の音域を強調して迫力を増すよりは、調和を重視して音楽性を高め、どんな音源でも聴きやすくする。そういったモデルが欲しいかたにはオススメできるなと、感じましたね。

 

イヤホンをそこそこ極めたと思ったら、今度はヘッドホンに....もう、沼の底が見えたと思ったらまた新しい穴を見つけて、と散々です。汗 オーオタほど金と縁がない種族は居ないのではないかと思っておりますw。 散財しすぎだし、良いケーブル作りたいなぁ~。